日本近海における、メバチ、キハダの標識放流調査

~再捕報告に御協力お願いします~

放流調査の実施について

ポスター(クリックすると拡大します)日本近海における熱帯性まぐろ類(メバチ、キハダ)の標識放流調査は、水産庁委託の、熱帯性まぐろ資源管理対策調査委託事業(平成18年度より、日本周辺国際魚類資源調査)の一環として、平成11年度から実施されており、現在では、水産庁から水産総合研究センター(水研センター)に委託、水研センターから鹿児島県、沖縄県、日本NUS(株)に再委託して実施しており、一部は水研センター遠洋水産研究所独自でも実施しています。また、20年度には、宮城県に再委託して、本州中部海域での標識放流も予定しています。まぐろ類の死亡率、移動、成長を調べ、資源学的研究のための情報を得ることを目的としています。

標識は、主として鹿児島、沖縄両県周辺海域(南西諸島周辺)の浮漁礁・中層漁礁周りでの曳縄、手釣り、竿釣り等で漁獲された小型個体に装着して放流していますが、最近では、これらの海域に加え、相模湾、房総沖でも一部放流しています(放流場所)。対象魚種は熱帯性まぐろ類のメバチ、キハダですが、一緒に漁獲される魚種(カツオ等)も一部放流しています。これらの標識放流調査は中西部太平洋における関係魚種の資源研究の重要な資料となっています。皆様の御協力のもと、すでに数多くの再捕報告が得られていますが、より詳細な解析を行うため、さらなる再捕が必要ですので、ご理解とご協力をお願いします。

~お願い~

背中に黄色い標識(通常標識)が2本(または1本)刺さっている魚、お腹からアンテナ線が1本出ている魚(写真)を見つけた方は、「背中の標識は引き抜いて(複数ある場合は全て)」、「お腹から出ているものには記録型標識*(金属の筒状のもの、アーカイバルタグと呼ばれます)が繋がっているので、アンテナを切らずに腹を裂いて本体ごと取り出して」、これらの標識と、獲れた日時・場所(緯度経度、パヤオ・漁場名)・魚の大きさ(尾叉長、体重)などの情報を、遠洋水産研究所または近くの水産試験場等へお知らせください。報告の際は、可能であれば、所定の報告用紙(PDF版Word版)を用い、標識とともに郵送願います。ささやかながら謝礼の品を進呈いたします(写真参照)。合わせて、再捕していただいた魚の放流情報(日付、位置、体長等)もお知らせします。

 *水深、水温、照度を記録し、照度より位置(緯度経度)を推定します。ご希望の方には、返送したいただいた標識から読み取った情報をお送りします。


使用している標識  左:通常標識、右:記録型標識(上から新型、旧型)


識が装着された魚(メバチ)   青矢印:通常標識赤矢印:記録型標識


再捕謝礼品(Tシャツ)

これ以外にも何色か取り揃えています。また、最近、タオル(白色)も作製しました。
再捕報告時に、謝礼品の種類、色やサイズ(M、L)をご指定していただければ、なるべくご希望に添えるようにします。


標識には、以下の刻印があります(一部、異なった刻印の標識もあります)。
「遠洋水研 5-7-1, 折戸 清水,静岡, 424-8633,日本」(返送先の機関、住所)を意味します。また、大部分の標識には、標識番号として、”英文字1字+4桁の数字(例:A0001)”が書かれています。他機関(水産試験場、外国等)の標識の可能性もありますので(報告取次ぎを行います)、標識本体(もしくは写真)をお送りいただくか、もしくは機関名を明記していただきますよう、お願いします。

「ENYO-SUIKEN (NRIFSF), 5-7-1, ORIDO
SHIMIZU,SHIZUOKA, 424-8633,JAPAN」

「SUISAN-CHO ENYO-SUIKEN
NRIFSF SHIMIZU 424 JAPAN」

(現在、主として使用している標識)

(旧タイプの標識。組織名等、従来のものです。
番号は、大部分は、”S+数字5-6桁”です)

 
標識のついた魚を見つけたら、以下の水産研究機関、もしくは、最寄りの水産研究所、水産試験場に連絡してください

連絡先

独立行政法人 水産総合研究センター 遠洋水産研究所 熱帯性まぐろ資源部 熱帯性まぐろ研究室
〒424-8633 静岡県静岡市清水区折戸5-7-1 Tel: 054-336-6000    Fax: 054-335-9642  
Eメール: www-enyo@fra.affrc.go.jp

鹿児島県水産技術開発センター 資源管理部
〒891-0315  鹿児島県指宿市岩本字高田上160番10 Tel:0993-27-9212 Fax:0993-27-9218

沖縄県水産海洋研究センター 海洋資源・養殖班
〒901-0305 沖縄県糸満市西崎1-3-1 Tel:098-994-3593 Fax:098-994-8703



調査状況については以下をご覧下さい    

これまでの放流、再捕尾数一覧 (2008年2月改訂)

標識放流再捕にもとづく移動経路(2008年2月改訂)

季節別の再捕位置(2008年2月改訂)

メバチ、キハダ標識放流調査のパンフレット(小冊子 )を作成しました。

標識魚の発見・報告には、漁業者ならび流通関係の方々、全国各地の魚市場、漁業協同組合、水産試験場、水産加工会社、水産関係機関、水産研究所、遊漁者等の多くの方々にご協力をいただいています。これらの多くの方々のご支援とご理解に対して厚く御礼申し上げます。

最終更新日 2008年5月29日