くろまぐろ資源部

クロマグロ類の持続的利用を目指して


 クロマグロ類には,太平洋に分布するクロマグロ,全世界の南緯30度以南に主として分布するミナミマグロ,北大西洋や地中海に分布する大西洋クロマグロの3種がいます。特にクロマグロは体長が3mを超え,一般に長寿命で,ミナミマグロでは最高年齢が40歳以上に達するものもあります。高級な寿司種(トロ)として近年特に珍重されています。

 これらのまぐろ類は,主としてはえ縄,まき網,曳き縄などの漁業により漁獲されますが,産卵域はいずれも熱帯域にあります。また,大規模な回遊を行うことが知られており,特に太平洋のクロマグロは若齢時に日本から米国南部及びメキシコ北部沿岸域へ回遊し,数年過ごした後,日本沿岸へ回帰することが知られています。
        

 日本は太平洋クロマグロの全漁獲量の7割を漁獲し、輸入により大西洋クロマグロの漁獲量の7-8割を消費しています。ミナミマグロについてもその大部分を消費する消費国としてこれら資源の管理に責任を持っています。

 このような資源は,各国の経済水域のみならず公海を含む全ての分布域における資源管理が不可欠です。本資源部ではまぐろ類の各国際漁業管理機関(RFMOs)において加盟国の研究者と共同し,クロマグロ類の資源量の変化をモニターし,資源を適正な水準に保つための科学的勧告を行っています。また,それに必要な成長,成熟,回遊,生態等の生物学的情報の収集や,資源解析に必要な我が国漁業データの収集とその解析を担当しています。