かつお・まぐろ資源部

かつお・まぐろ類資源利用と漁業の持続を目指して

紀伊勝浦港に水揚げされたメバチ はえ縄漁獲物の生物調査 国際会議の合間の食事会

 世界のかつお・まぐろ類漁獲量は1970年代以降大きく増大し,400万トンを超える水準に達しています。特に,熱帯海域を中心に分布するカツオ,キハダ,メバチは漁獲量が多く,刺身,缶詰,鰹節原料などに広く利用され重要です。さらに,まぐろ類の中では小型のビンナガも,刺身や高級缶詰原料としてなじみの深い資源で,こらら4種類で全かつお・まぐろ類漁獲量の98%以上を占めています。これらは,主としてはえ縄,まき網,竿釣り,他の漁業により漁獲され,遠洋漁業とともに日本の周辺海域での漁業としても重要です。なお,はえなわ漁業はカジキ類等の水産有用資源の供給も担っています。

 大きな漁獲量を支えるこれら主要4種のかつお・まぐろ類資源等を絶やさずに持続的に利用すること,これが当資源部の大きな研究目的の一つです。このために,まぐろ類の回遊,成長,産卵等の生態に関する基礎的な研究も必要です。更に,漁業の獲りすぎによって資源を圧迫していないか,もっと獲っても良いか,を漁業からの情報や調査船による調査結果から明らかにします。持続的に資源を利用していくための合理的で安全な管理方法を検討し,国際漁業管理機関(RFMOs)における合意形成に貢献します。さらに,これらの資源を利用する漁業が安定的に続けられることも重要な課題です。当資源部では,はえなわ漁業によって混獲される生物の生態調査や混獲を減らす研究,あるいは日本近海へのカツオ等の来遊メカニズムの解明にも取り組んでいます。