静岡市立清水興津中学校2年生による職場体験学習の様子

  国際水産資源研究所では、学校や生徒の要請に応じて中学生の職場体験学習の受入を行っています。

 5月9日(水)から11日(金)までの3日間、静岡市立清水興津中学校2年生2名が職場体験学習を静岡市清水区の当研究所で行いました。

 初日は、まぐろ類などを対象とする日本の漁業の概要や水産総合研究センター及び国際水産資源研究所が行っている調査・研究の概要などについて担当職員の説明を受けた後、クロマグロの年齢や成長を調べる手法に関する知識の習得と顕微鏡を使ってクロマグロの耳石*注)の観察と年輪の読み取り作業を体験しました。

 2日目には、まぐろ類の資源管理の基礎となる漁獲統計の編さんについて担当職員の説明と指導を受けながら練習用の漁獲データをパソコンに入力して結果を点検するなど一連の情報処理作業を体験しました。

 3日目には、クロマグロの調査船調査で採集されたプランクトンサンプルから仔稚魚を顕微鏡や専用ピンセット等の器具を使って選り分けるソーティング作業を体験しました。最後に、担当職員とともに3日間の体験学習を振り返って要点をおさらいし、今回の学習を無事終えました。

 当研究所での職場体験学習を希望された生徒さんたちは、水産業の重要性を学ぶとともに持続可能な漁業に不可欠な資源管理及びその科学的根拠となるデータ の収集・分析手法の学習にたいへん熱心に粘り強く取り組みました。この学習を 通してそれぞれの興味をさらに掘り下げるとともに視野を広げることができたも のと思います。

 

*注) 耳石(じせき)とは、魚など脊椎動物の内耳にある炭酸カルシウムの結晶からなる組織。耳石の表面や断面には木の年輪のような同心円状の輪紋構造が 見られる。水温等の変化に応じて魚の成長速度が変わると輪紋の間隔も変化して色調の違う年輪のような輪紋が規則的に形成される場合があり、この輪紋により年齢を推定することができる。)

                              職場体験学習の様子

1日目:担当職員から調査・研究の概要の説明を受け、体験学習がスタートしました

1日目:クロマグロの耳石標本の作成を体験しました

1日目:作成した耳石標本を画面で観察しました

2日目:漁獲データをパソコンに入力しました

3日目:クロマグロ仔稚魚のソーティング作業を体験しました

3日目:プランクトンの中から仔稚魚を選別しています