研究成果情報(遠洋漁業関係)
大西洋メバチの資源量指数の推定
[連絡先] 0543-36-6044 [部会名] 遠洋漁業関係試験研究推進会議 [専 門] 資源評価 [対 象] まぐろ [分 類] 行政
[成果の内容・特徴] ・漁獲尾数および体長測定尾数を海区別季節別に整理し、体長は緯度方向よりも経度方向で良く似た組成を示すことを確認した。 ・体長測定データの補完手順を決定し、海区別季節別の漁獲物体長組成を作成した(図1)。これを成長式の各齢の体長範囲で切断し、釣獲率を乗じて年齢別釣獲率とした。 ・この年齢別釣獲率について誤差項にポアソン分布を仮定した統計モデルを当てはめ、季節・海域・漁具・一鉢あたり鈎数(図2)などの変数について標準化を行った。これらの変数は何れも有意で、特に海域、一鉢あたり鈎数等をモデルに組み込む必要がある。 ・年齢別資源量指数は、高齢である5~6歳魚は1980年代の初め頃から低下傾向を示し、3~4歳魚は1980年代の終わり頃から急激に減少している(図3)。 ・この資源量指数を用いたコホート解析から、親魚量(3歳魚の半分と4歳魚以上)が1990年代前半までは緩やかに減少し、その後急速に低下したこと、および過去数年間に漁獲死亡率が急増したことが示された。 [成果の活用面・留意点] 結果は解析に用いられている自然死亡率にかなり依存するが、資源は近年急速に悪化しており早急な資源保存措置が必要という勧告案がICCATにおいて作成された。 同時に本種に対する研究を集中して行う必要性が指摘され、ICCATでは標識放流を中心とした総額220万米ドルに達する4年計画の研究計画プログラムが実施されることとなった。 この研究計画プログラムの結果もできるだけ取り込んで、結果をできるだけ改善していく必要がある。 [その他] |