「さめ類種査定ガイドを作成するためカグラザメの測定・観察を行いました」(平成30年11月7日)

 
・まぐろ漁業資源グループでは、11月7日焼津港で行われたカグラザメ(Hexanchus griseus)の解剖に参加しサメ類の種査定に関する情報収集を行いました。このカグラザメは駿河湾で漁獲され全長412cm, 体重577kg、深海性で、出生サイズは70cm程度ですが、これまで最大で482cm(全長)の記録があります。(ちなみに私の身長は155cmです。)
   
吻端が丸く愛嬌のあるユーモラスな顔をしています。英名ではbluntnose sixgill sharkと称され、鰓孔が6対ある点が特徴です。普通、さめ類の鰓孔は5対ですが、原始的特徴を持つさめ類では6~7対の鰓孔を持つといわれています。
bluntには、尖っていない、鈍いという意味があります。
・解剖前に、様々な部位を計測します。
この個体は、はく製にし20191月から
「ふじのくに地球環境史ミュージアム」
 https://www.fujimu100.jp/exhibition/planning/3536/

で展示される予定です。
皮が厚く臀鰭付近では4cmくらいありました。皮の下に見えているのは肝臓です。深海ザメの肝臓は大きく、この個体は110kgあり、体重の約1/5が肝臓です。一部の種では、肝油の原料になっているようです。 手で押さえている方が下顎です。下顎には、カグラザメに特徴的なのこぎり状の歯が、上顎の中央にはアオザメのようなナイフ状の歯が密集しています。これらを使って、餌をしっかりくわえて切り裂いて食べているものと推測されます。カグラザメは、シイラやかじき類、底魚等の硬骨魚類のほか、サメやエイ、甲殻類や軟体類、アシカやアザラシ等、様々な生物を捕食することが報告されています。