演 題 開洋丸による南極海オキアミ生態系一斉調査の概要と展望
演 者 永延幹男(南大洋生物研究室長)
演者は開洋丸第8次南極海調査の首席調査員
日 時 5月16日(火) 15:00~16:00
場 所 大会議室
参加者 40名
講演の概要:
1999年10月20日~2000年3月22日の間、水産庁調査船開洋丸(2,362トン)を用いて、第8次南極海オキアミ調査を実施した。この調査は南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)に基づく調査で、今回はメンバー国であるイギリス、アメリカ、ロシア及び日本の4カ国が自国の調査船を持ち寄り、4隻一斉に航走して、計量魚群探知機により南極スコシア海におけるオキアミ資源量を推定することを主目的とした。それ以外にもサウスシェトランド諸島沖においてアメリカ、韓国、ペルー及び日本の4カ国の調査船により、オキアミの分布の経時変化(フラックス)についても調べた。19年振り(1981年国際共同BIOMASS調査が実施されて以来)の国際共同調査である。
英語、ロシア語、日本語入り混じっての操船打ち合わせなどはかなり大変であったが、調査は成功裏に終わり、南極海におけるオキアミの資源量を高い精度で算出するためのデータを収集することができた。南極海の生物は殆どがオキアミに依存しており、オキアミ資源の減少は南極の海洋生態系の異常につながる。地球温暖化がオキアミの資源量にも影響を及ぼしているか?調査結果に期待と不安が寄せられる。結果はCCAMLR科学委員会から今年中に公表される予定である。
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