クロマグロ行動解析調査・黒潮流域流動調査
調査概要
期 間 2002年5月9日〜6月4日 27日間
乗船調査員 遠洋水研まぐろ研 :山田陽巳・高橋未緒 遠洋水研低緯度研 :植原量行 西海区水研石垣支所 :矢野和成・小菅丈治 中央水研海洋動態研 :斎藤 勉 科技振興事業団 日本学術振興会 |
MOCNESS ネット |
CTD オクトパス |
目 的
クロマグロは4〜6月に南西諸島周辺海域で産卵することが稚仔魚の分布調査から明らかにされている。しかし産卵親魚の移動、回遊に関する知見は極めて少ない。またクロマグロ加入量(0歳魚)には大きな年変動があることがVPA解析などから明らかとなってきた。
そこで、まず産卵親魚の鉛直移動、水平移動を明らかにするとともに、それらの行動を海洋構造、餌生物の分布の観点から解析する。次に産卵場で産卵孵化された卵仔稚の分布状況を海洋環境とともに明らかにし、加入量変動機構解明のための基礎資料とする。
結果の概要
1.船底ADCP(多層式流速計)により四国沖及び八重山諸島周辺において水深1000mまでの黒潮流量を測定した。
2.宮古島南方において、はえ縄漁船に漁獲されたクロマグロ2個体に小型発信器を装着、追跡することにより、これらの鉛直移動、水平移動をそれぞれ28時間、77時間把握した。
3.上記クロマグロ追跡海域において表中層トロール漁獲試験により餌生物の分布を調査した。
4.八重山諸島周辺海域に配置された緯度経度30分升目の27定点において、水深1000mまでの水温、塩分、溶存酸素、クロロフィル、小型動物プランクトンを採集、測定した。
5.上記観測全定点においてノルパックネットにより表層混合層中の小形動物プランクトンを採集した。
6.上記観測25定点において環境センサー付き多段式開閉ネット(MOCNESS)を用いて、水深300m(または500m)までの層別にクロマグロ卵稚仔を採集すするとともに、動物プランクトンなども同時に採集した。