所 長 挨 拶

       国際水産資源研究所への名称変更に当たって

 

                                                       所 長  魚住 雄二

 

 独立行政法人水産総合研究センターでは、本年4月より第3期中期計画期間に入るにあたって、より一層の業務の重点化と効率化を行うため組織の一元化・再編を行いました(詳しくは本部のホームページをご参照ください.http://www.fra.affrc.go.jp/3rdterm/)。また、この9月より、遠洋水産研究所の名称を現在の任務をより適切に表した「国際水産資源研究所」と改めることといたしました。

 遠洋水産研究所は、戦後急速に発達した遠洋漁業に関する資源研究を一元的に行うため、それまで3つの水産研究所に分散していた研究部門を統合し、北洋の鮭鱒やカニ漁業等を対象とした北洋資源部、まぐろ漁業を対象とした浮魚資源部、遠洋底びき網漁業や捕鯨、オットセイ等を対象とした底魚海獣資源部、そして、海洋部から構成される研究所として1967年に発足しました。しかし、その後の40余年間に、沿岸国の200海里体制確立による遠洋底びき網漁業の縮小、IWCによる捕鯨モラトリアム、公海鮭鱒流し網を含む大規模公海流し網禁止等といった数々の変曲点を経て我が国遠洋漁業の内容は大きく変貌しました。遠洋水産研究所は、このめまぐるしい変化の中で、それぞれの時期において直面する数々の問題に対応するため、幾度もの組織改編を行ってまいりました。その結果、2007年以降は、かつお・まぐろ類を対象とした2つの研究部と鯨類や外洋いか類、そして、南極オキアミ等を対象とした外洋資源部と言う発足当時の構成とは全く異なった3研究部体制となりました。

 さらに、2009年春には、「北太平洋公海漁業資源の保存及び管理に関する条約」の発効をにらんで、外洋資源部に外洋生態系研究室を発足させ、外洋いか研究室及び鯨類2研究室と併せて、天皇海山水域を含む我が国外洋水域の資源問題への対応強化を図りました。また、2010年春には、日本周辺のクロマグロ及びカツオの資源管理強化に向けた研究体制を確立するため、まぐろ類関連2部をくろまぐろ資源部及びかつお・まぐろ資源部に改めました。

 現在の遠洋水産研究所が担当する水域は、従来の大西洋、インド洋と言ったいわゆる遠洋水域のみならず、クロマグロやカツオのひき縄漁業等が存在する日本の沿岸水域に加え、小型捕鯨業、アカイカ漁業、そして、様々なまぐろ漁業が展開する我が国沖合水域も含まれます。そして、これら我が国周辺水域への対応強化として2009年以降の組織改編を行ってまいりました。当研究所の任務として、遠洋水域のみならず、我が国周辺水域における国際水産資源への対応の重要性が極めて大きくなったと言えます。

 

 さらに、これら国際水産資源は、利用する様々な国が協力して管理することが必要で、そのため国際的な漁業委員会の管理下に置かれています。そして、その枠組みの下で、科学的根拠に基づいた持続的利用が図れる管理を確立するための調査研究を行うことが当研究所の重要な役割となっております。

 本年4月から始まりました第3期中期計画期間におきましても、上述しましたくろまぐろ資源部、かつお・まぐろ資源部、そして、外洋資源部の3研究部体制で、中期計画の冒頭に示されている重点課題である

「我が国周辺及び国際水産資源の持続的な利用のための管理技術の開発」を推進するべくスタートいたしました。

 そして、冒頭申し上げましたように、この9月より、現在の当研究所の役割をより的確に示すべく、研究所の名称を「遠洋水産研究所」から「国際水産資源研究所」へ改めた次第です。この新たな名称の下、上述しました3研究部体制を継続し、遠洋水域から我が国周辺水域におけるまぐろ類や鯨類をはじめとした国際水産資源の管理に関する問題へ今まで以上に対応していきたいと思っております。今後とも国際水産資源研究所へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

 最後になりましたが、このたびの東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げ、被害にあわれた皆様方に心からのお見舞いを申し上げます。この震災で被害にあわれた地域の一日も早い復興を願いつつ、当研究所といたしましても水産業の復興とさらなる発展に貢献できるようこれからも精一杯取り組んでまいります。

                                                     平成23年9月1日